New Food Industry 2019年 8月号

◆論 文 

パン製造で発生するアクリルアミドの低減化法としての大麦粉配合効果

小林 理恵/Rie Kobayashi,岩田 惠美子/Mieko iwata,橋詰 奈々世/Nanase Hashizume,榎本 俊樹/Toshiki Enomoto

Using barley flour to reduce acrylamide generated in bread production

Rie Kobayashi 1*, Emiko Iwata 2, Nanase Hashizume 3, Toshiki Enomoto 4

1 Faculty of Home Economics, Tokyo Kasei University, 2 Faculty of Health Sciences,Kio University, 3 Research Institute of Domestic Science, Tokyo Kasei University, 4 Faculty of Bioresources and Environmental Sciences, Ishikawa Prefectural University

*To whom correspondence should be addressed.
Faculty of Home Economics, Tokyo Kasei University,
1-18-1 Kaga, Itabashi-ku, Tokyo, 173-8602, Japan
Tel : +81-3-3961-7248 Fax : +81-3-3961-0086 e-mail : kobayashi-r@tokyo-kasei.ac.jp

Key Words: acrylamide, barley flour, bread, color, palatability

Abstract
 Acrylamide (AAm) in food may be carcinogenic. AAm is generated during the Maillard reaction between asparagine and a reducing sugar when food is cooked at high temperatures; therefore, food should be cooked for a short period. However, preparation of firing time in bread making is difficult. In this study, the effect of blending barley flour with a limited asparagine content was determined in order to reduce the amount of AAm generated in bread while maintaining its quality. A barley flour-formulated bread with high palatability could be produced by replacing 30 % of flour with barley flour. In the production of this bread, the amount of water had to be increased depending on the amount of barley flour. AAm was not detected in bread made with 30 % barley flour. Furthermore, when this bread was toasted for three minutes, the coloring was light and the amount of AAm was below the detection limit. Thus, using barley flour for bread making is a rational method to control the amount of acrylamide generated and to improve the health functionality derived from barley flour.

要 約
 食品中のアクリルアミド(AAm)は発がん性を有する可能性がある。 AAmは,食品を高温で調理するとアスパラギンと還元糖の間のメイラード反応中に生成されるため,食品はより短時間で調理する必要がある。しかしながら,製パンにおける焼き時間の調整は困難である。本研究では,パンの嗜好性を維持しながら,パン製造中に生成されるAAmの量を減らすために,パンの材料としてアスパラギン含量の少ない大麦粉を配合することの効果を検証した。30 %の小麦粉を大麦粉で置き換えることにより,嗜好性の高い大麦粉配合パンを製造することができたが,このパン製造では,大麦粉の量に応じて水の量を増やす必要があった。またこの30 %大麦粉配合パンからAAmは検出されなかった。さらに,このパンを3分間トーストしたところ,着色は薄く,AAm量は検出限界以下であった。製パン時に大麦粉を使用することは,生成されるAAm量を制御するための合理的な方法であり,さらに大麦粉に由来する健康機能性を有することが期待できる。

納豆に含まれるカチオン性ペプチドは内毒素中和活性と血管新生促進活性を発揮する

谷口 正之/Masayuki Taniguchi,落合 秋人/Kihito Ochiai

ヒトは生体を防御するために,多くのペプチドを生産している。例えば,唾液中のhistatinは,抗炎症作用や抗菌作用を発揮する1)。また,好中球などの細胞が産生するLL-37やβ-defensinなどのペプチドも,免疫調節作用,抗炎症作用,創傷治癒作用,細胞増殖促進作用,抗菌作用などの多くの生体防御機能を有しており,それらの多機能性に着目した医薬品開発が進められている2, 3)。筆者らは,正味の正電荷を有する,両親媒性である,2次構造を有する,などの抗菌ペプチドに共通する特徴に基づいて,最初に,米と大豆のタンパク質のアミノ酸配列から抗菌活性をはじめとする多機能性を発揮する可能性があるカチオン(塩基)性ペプチドを探索した。その結果,見出したカチオン性ペプチドを化学合成し,それらが実際に抗菌作用,内毒素であるリポ多糖(Lipopolysaccharide, LPS)中和作用,血管新生促進作用,細胞遊走促進作用などの複数の生理機能を有することを報告している4-9)。また,米タンパク質由来ペプチドに関しては,カチオン性または疎水性を強化することによって,抗菌,LPS中和,創傷治癒などの生理活性を高めることができることを明らかにしている10-13)。
 次に,これらのペプチドの食品,化粧品,ヘルスケア製品への応用を考慮したときには,化学合成ペプチドは製造コストや安全性などが問題になるため,米糠,米胚乳,および大豆のタンパク質の酵素加水分解物に含まれるカチオン性ペプチドについて検討した。その結果,加水分解物から精製し,同定したカチオン性ペプチドが,各タンパク質のアミノ酸配列から見出したカチオン性ペプチドと同じように,多彩な生理活性を示すことを明らかにした14-16)。また,発酵乳製品(ヨーグルトや乳酸菌飲料),清酒,醤油,味噌,納豆などの発酵食品中に含まれるペプチドの生理機能に関する研究は,降圧活性や抗酸化活性を中心に実施されているが17, 18),その他の生理活性に関する研究例は少ない。そこで,筆者らは代表的な発酵食品である納豆に着目し,納豆に含まれるカチオン性ペプチドを精製・同定し,それらの生理活性を明らかにすることを試みた。
 本稿では,納豆から複数の生理活性を兼ね備えたカチオン性ペプチドを精製・同定し,それらの機能を解明することを目的として,(1)納豆からのペプチドの調製,(2)等電点電気泳動によるカチオン性ペプチドの分画,(3)逆相クロマトグラフィーと質量分析計を用いたカチオン性ペプチドの同定,および(4)同定した7種類のカチオン性ペプチドの複数の生理活性(抗菌活性,LPS中和活性,および血管新生促進活性)について検討した結果19) を解説する。

一臨床医から見た保健機能食品について
―安全性,有効性,問題点そして補完代替医療に向けての今後の展望

窪田 倭/Sunao Kubota

 我が国の総人口は2018年において約1億2,600人であり,その内65歳以上の高齢者は総人口に占める割合が28.1%,70歳以上が20.7%と報告されている1)。一方,平均寿命は2016年では男性80.98歳,女性は87.14歳であるが,「健康上の問題で日常の生活に影響がない」いわゆる健康寿命は男性72.14歳,女性74.79歳である。平均寿命と比べると男性は8.84年,女性は12.35年の差がありこの期間に医療や介護が必要になる2)。高齢者のみならず若年者の誰もが「健康であること」が日常生活の最大の目標である。事実,厚生労働省の「健康意識に関する調査」において「健康に関して何らかの不安がある」が61.1%,「食事・栄養に気をつけている」が69.9%,そして「健康食品やドリンク剤についてある程度健康に良い」が57.5%で,「服用している」が38.9%,「時々服用している」が30.0%であることなどが報告されている3)。健康維持・増進に寄与するいわゆる健康食品やサプリメントへの期待感が強くまた,日常服用していることが窺える。
 1980年代にいわゆる健康食品の市場拡大に伴い行き過ぎた表現,即ち医薬品と類似の効能・効果を謳ったことによる問題が生じた。そこで食品成分の第3次機能「生体防御や体調リズムなどの調整機能」が生体に対して発揮できる食品として「特定保健用食品」が認可された4)。その後栄養機能食品5),機能性表示食品6)がそれぞれ認可され3者合わせて保健機能食品として機能性(有効性)が表示できる食品が現在販売されている。機能性が保証されると共に安全性も担保されているこれらの食品は,上述したように多くの国民に服用されていると同時に医薬品と混合服用している高齢者もいる7, 8)。しかしながら疾病の診断,治療そして予防に関与する臨床医は保健機能食品の安全性そして有効性などについて疑念を抱いているのが多く,健康維持・増進さらに体調管理を望む彼らへの指導や助言ができていないのが現状である9, 10)。そこで一臨床医(総合診療科医)としてこれまで経験した保健機能食品の安全性,有効性,問題点,近い将来補完代替医療になりうるのか,そして今後の展望などについて文献学的考察を加えて述べる。

漢方製剤の抗炎症作用を主とした薬理作用について

加藤 崇雄/Takao Kato

 漢方薬は,「自然界にある植物の種子,葉,根茎,根,貝殻,昆虫などのうち,薬効を持つ」部分を一定の法則のもと,原則として複数組み合わせて作られた薬である。何千年という長い年月をかけて行われた治療の経験によって,どの生薬を組み合わせるとどんな効果が得られるか,また有害な事象がないかなどが確かめられ,漢方処方として体系化されてきた。そのため医食同源の考えを元に薬として,かつ精進料理として使われてきた。
 日本での漢方薬の歴史は,中国の医学が5〜6世紀ごろより,日中の交流が盛んになるにつれて日本に入ってきたことに始まる。 日本に仏教を伝えた鑑真和上により,薬物とそれに伴う医療が導入された。984年には,丹波康頼により中国医学の引用を内容とした「医心方(いしんぽう)」が表され,その後,中国の金・元医学が伝えられた。陰陽五行説の影響の強い医学であるが,田代三喜,曲直瀬道三らが日本的な医学に改めた。これが後世派であり,この後世派に対して,実証的医学として古方派が登場した。16世紀後半より,キリスト教の伝来と時を同じくして,西欧諸国の医学が日本に伝えられた。18世紀以降はこれらがますます盛んとなり,オランダ医学が主流であったので,蘭方と呼ばれた。これに対して中国より伝来の医学を漢方と称した1)。
 19世紀後半より漢方は次第に衰退し,西洋医学が主流となった。ことに1883(明治16)年に医師国家試験の内容が西洋医学となり,決定的に西洋医学が医学の中心となった。しかし1976(昭和51)年には,漢方製剤(主としてエキス剤)が健康保健医療に導入され,今日では72%の医師が診療に漢方を用いている。まさに,日本のみの特徴であり,医師の免許で西洋医学も漢方も自由に用いられるようになった。
 現在では漢方薬に使われる生薬は約300種と言われており,漢方および構成生薬の抗炎症効果を調べた研究は,80報を超す2-5)。しかし,口腔疾患の治療を目的とした基礎研究あるいは臨床研究は,我々の研究を含め少ない。また,これら漢方製剤間の相対的な効力や,その効能がどの構成生薬成分に帰属しているかについては不明な点が多く,今回,より効率的な臨床応用のための基礎データを得るため,10種の漢方製剤,甘草の抗炎症作用,lipopolysaccharide (LPS)など微生物由来成分の汚染について比較検討し,過去に発表した内容4, 6-16)と合わせて考察を行った。

◆製品解説

機能性表示対応素材「菊の花エキス」の尿酸値低下作用
Effect of Kiku flower extract on serum uric acid in subjects with mild hyperuricemia

寳田 徹/Toru Takarada,竹田 翔伍Shogo Takeda,平野 麻里奈/Marina Hirano,下田 博司/Hiroshi Shimoda

 菊はキク科キク属(Chrysanthemum morifolium)の一年草または多年草植物であり,日本人の生活に馴染み深い花の一つである(図1)。花言葉は「高貴」,「高潔」,「高尚」であり,その美しさが君子に似ていることから,梅,竹,蘭と共に「四君子」に含まれている。原産国の中国では長い歴史があり,漢方薬および食用として2000年以上使用されてきた。日本で食用花として広がりをみせたのは江戸時代からと言われ,現在でもおひたしや酢の物など,全国で様々な料理に使用されている。
 菊の花は数十種類のフラボノイドやその配糖体,セスキテルペノイド,トリテルペノイド,不飽和脂肪酸等を豊富に含み,ハーブティーやサプリメントとしても使用されている1)。主要成分は図2に示したフラボノイド類のルテオリンやアピゲニンである2)。薬理作用としては,脂肪肝改善作用3),抗酸化作用4),メラニン産生抑制作用5),学習記憶改善作用6),睡眠改善作用7),心血管保護作用8, 9),抗炎症作用10),抗がん作用11, 12)など,多種多様な効果が報告されている。また,ルテオリンは尿酸産生酵素であるキサンチンオキシダーゼに結合し,蛋白質構造を変化させることで阻害活性を示すことが報告されている13)。そこで弊社はルテオリンを多く含む菊の花に着目し,尿酸値低下作用を示す機能性表示対応エキスを開発し,2014年に上市した。昨年には,本エキス(ルテオリンを関与成分とする)を使用した初の機能性表示食品が受理され,今後の市場への定着が大いに期待できる素材である。本稿では,機能性表示食品において重要となる菊の花エキスやルテオリンの尿酸値低下作用の科学的根拠について解説する。

加工澱粉 新製品CIT-407,CWS-W1のユニークな特性と応用例について

東川  浩/Hiroshi Higashikawa

 菊はキク科キク属(Chrysanthemum morifolium)の一年草または多年草植物であり,日本人の生活に馴染み深い花の一つである(図1)。花言葉は「高貴」,「高潔」,「高尚」であり,その美しさが君子に似ていることから,梅,竹,蘭と共に「四君子」に含まれている。原産国の中国では長い歴史があり,漢方薬および食用として2000年以上使用されてきた。日本で食用花として広がりをみせたのは江戸時代からと言われ,現在でもおひたしや酢の物など,全国で様々な料理に使用されている。
 菊の花は数十種類のフラボノイドやその配糖体,セスキテルペノイド,トリテルペノイド,不飽和脂肪酸等を豊富に含み,ハーブティーやサプリメントとしても使用されている1)。主要成分は図2に示したフラボノイド類のルテオリンやアピゲニンである2)。薬理作用としては,脂肪肝改善作用3),抗酸化作用4),メラニン産生抑制作用5),学習記憶改善作用6),睡眠改善作用7),心血管保護作用8, 9),抗炎症作用10),抗がん作用11, 12)など,多種多様な効果が報告されている。また,ルテオリンは尿酸産生酵素であるキサンチンオキシダーゼに結合し,蛋白質構造を変化させることで阻害活性を示すことが報告されている13)。そこで弊社はルテオリンを多く含む菊の花に着目し,尿酸値低下作用を示す機能性表示対応エキスを開発し,2014年に上市した。昨年には,本エキス(ルテオリンを関与成分とする)を使用した初の機能性表示食品が受理され,今後の市場への定着が大いに期待できる素材である。本稿では,機能性表示食品において重要となる菊の花エキスやルテオリンの尿酸値低下作用の科学的根拠について解説する。

◆連 載

野山の花 — 身近な山野草の食効・薬効 —
エンジュStyphnolobium japonicum (L.) Schott
(=Sophora japonica L.)
(マメ科Leguminosae APG : Fabaceae)

白瀧 義明/Yoshiaki Shirataki

 梅雨が明け,真夏の太陽が照りつける7〜8月頃,街路樹の下で小さな薄黄色の蝶形をした花が落ちているのを見かけます。エンジュ(槐)はよく街路樹や庭木として植えられる高さ20mに達する中国原産の落葉高木で,夏場に枝葉を茂らすため,木陰を作る緑陰樹として日本,中国,韓国などで植栽されています。和名は古名「えにす」の転化したもので,学名にjaponicum (japonica) とあるのは日本産と勘違いされたためだそうです。葉は奇数羽状複葉で互生し,小葉は4〜7対あり,長さ3〜5cmの卵形を呈し,表面は緑色,裏面は緑白色で短毛があり,花は7〜8月開花し,枝先の円錐花序に白色の蝶形花を多数開きます。花の特徴としては10本ある雄しべがすべて離生することです。これはマメ科植物の中でも原始的なグループと考えられます。豆果の莢は,種子と種子の間がところどころでくびれ,数珠状になっているのが特徴です。

デンマーク通信 デンマークの種やナッツ

Naoko Ryde Nishioka

 以前,デンマークでは栄養価が高く健康にいいとされる全粒粉を使った製品が主流であることを紹介しましたが(白米よりも玄米がいいという感覚で,白いパンよりも茶色っぽいパンが主流),その延長線上である,健康にいい種やナッツ類の話を紹介したいと思います。
 デンマークの食文化において近年ホットな話題といえば,「健康」と「環境」ではないかと思われます。デンマーク人の健康に対する意識は年々高まってきており,製品を供給する側は,健康にいいことをパッケージに訴求したり,広告でうたったりと,商品を差別化するのに尽力しています。例えば,製品パッケージに「食物繊維5%」,「全粒粉使用」とうたったりしている製品を多く見かけることができます。また環境に関しての意識の高まりは,製品が有機であることや,パッケージがリサイクル資材を利用したものであることが消費者へのアピールポイントとなることや,ベジタリアンやビーガン食材が注目を浴びていることなどから伺えます。

◆解 説

新解説 グルテンフリー穀物によるビスケット,クッキー製造

瀬口 正晴/Masaharu Seguchi,竹内 美貴/Miki Takeuchi,中村 智英子/Chieko Nakamura

本論文「グルテンフリー穀物によるビスケット,クッキー製造」は、”Gluten-Free Cereal Products and Beverages” (Edited by E. K. Arent and F. D. Bello) 2008 by Academic Press (ELSEVIER) の第14章 Formulation and nutritional aspects of gluten-free cereal products and infant foods by Eimear Gallagher の一部を翻訳し紹介するものである。
 グルテンアレルギー/グルテン耐性への関心とセリアック病発見による優れた治療法要望の高まりにともなって,グルテンフリー食品への要求が世界的に,特に発展途上国において広がっている。しかし,グルテンフリー食品の仕込みはグルテン含有食品より難題である。それは大部分の構造形成成分であるグルテン欠如のためである。さらにグルテンフリー食品の栄養プロフィールもまた難題であり,栄養上必要な食物繊維の低含量があげられる。最近ではセリアック病患者のためにグルテンフリーのビスケット,ケーキ,パスタ,ピザが市販されている。しかし,原材料がほとんど精製デンプンが主体のため,乾燥した砂のような口当たりで,全体的に貧弱な食感である。この章ではこれらの食品の進歩に見られる異なった各状況を解説する。

随 想

日本家庭の貧困化

藤田 哲/Satoshi Fujita

年号が平成から令和に替わり,新しい世の中の歩みが始まることへの期待がある一方で,あまり代わり映えしない日常が続いている。筆者はかなり長く生きてきたが,近年はいろいろな場面で,この国の活力の衰えを感じている。これは自分の年齢の故だけではなく,幾つかの社会の実態から窺うことができよう。特に日本の家庭では,まぎれもなく貧困化が進行している。この改善は,より良い未来に向けた政府の最重要な課題であり,国策として是正に注力すべき課題であろう。

School cafeteria in the world (4)

– University of the Western Cape –

Hiroshi Sakagami, Akitoshi Katsumata, Shu Fujiwara, Izumi Den, Mohau Pheko, Sarel F. Malan, Debra Lamson, Umesh Bawa, Anthea Rhoda4, Pete Gottgens, Yusuf Osman and Katsuyuki Ohtomo


1. Exchange with Republic of South Africa
 Among African nations, Republic of South Africa (RSA) has several superiorities such as the possession of nuclear power plants, energy consumption, electricity penetration in urban and rural areas, Internet utilization, and literacy rate 1).
 Exchange between RSA and Asahi University (AU) (President KO) started in March 27 (2012), when the minister Cecil Masoka in charge of science and technology from the Embassy of RSA in Japan visited AU to introduce dental universities of RSA. KO invited the then ambassador extraordinary and plenipotentiary embassy of RSA, Mohau Pheko and requested her special lecture entitled “Can science and technology drive development and democracy?” in both AU and Ogaki Forum Hotel (June 5, 2014). KO also invited Chester Williams, the only black player who represented RSA at the World Cup Rugby, to teach AO students how to play rugby (July 5, 2014). KO, SF and Prof. Isozaki visited University of Stellenbosch to discuss the international exchange program with chairman Robert Kotze and also went to the rugby ground with Chester (August 28, 2014). The next day they visited University of Western Cape (UWC) to discuss the academic and sports exchange with dean YO. When YO visited the graduation ceremony of AU in March 2015, a signing ceremony was held for the establishment of sister university relationship between YO (representative from UWC), KO (from AU), President Toshikazu Yasui (from Meikai University, sister university of AU) and chairman Jun Miyata. This year, we visited UWC again to establish the basis of collaboration, which resulted in an invitation to Dr. S Shaik from UWC to spend two weeks at AU in Gifu on a collaborative project with AK in Oral and Maxillo Facial Radiology. This visit is planned for September 2019.

和 訳

世界の学食(4)UWC―ウェスタンケープ大学―

坂上 宏,勝又 明敏,藤原 周,田 いづみ,モハウ ペコ,サレル・F・マラン,デブラ・ラムソン,ウメシュ・バワ,アンテア・ローダ,ピート・ゴットゲンス,ユスフ・オスマン,大友 克之

1.南アフリカ共和国との交流
 南アフリカ共和国(RSA)は,アフリカ諸国の中でも,原子力発電所を有し,エネルギー消費量,都市部および農村部における電気の普及率,インタネットユーザー数,識字率が高い点において卓越している1)。
 RSAと朝日大学の交流は,2012年3月27日にRSA日本国大使館の科学技術担当の公使のセシル・マソカが朝日大学(AU)(KO学長)に来校し,RSAの歯学部を有する大学を紹介した時に始まる。KOは,モハウ・ペコRSA特命全権大使を朝日大学に招待し,AUおよび大垣フォーラムホテルにおいて「科学技術は発展と民主化に寄与するのか?」と題する講演を依頼した(2014年6月5日)。KOはまた,もと,ラグビーワールドカップにRSA代表として活躍した唯一の黒人選手であるチェスターウィリアムズを招き,AOの学生にラグビーの基本動作を教えていただいた(2014年7月5日)。KO, SFと磯崎教授は,ステレンボッシュ大学を訪問し,ロバート・コツェ国際交流委員長と国際交流プログラムについて議論した。また,チェスターとラグビー場を訪れた(2014年8月28日)。翌日,ウェスタンケープ大学(UWC)を訪れ,YO歯学部長に会い,学術・スポーツの交流について議論した。2015年3月に朝日大学卒業式で,YO ,KO,安井利一学長(明海大学),宮田淳理事長の間で,姉妹校の締結の調印式が執り行われた。今年,再びUWCを訪問し,コラボレーションの基盤を確立した。その結果,UWCからS Shaik博士が岐阜にある朝日大学で2週間,歯学部口腔病態医療学講座歯科放射線学分野におけるAKとの共同プロジェクトに参加することが決定された。この訪問は2019年9月に予定されている。