定 価:(本体2,800円+税)
判 型:A5版
頁 数:184頁

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母乳の力

著者:大谷 元

私たち成人は、主食や副食により、栄養機能、感覚機能、生体調節機能を充たしています。しかし、哺乳動物の新生児は、母乳だけでこれらの機能を充たします。このことは、母乳には、生命活動に必要なすべての栄養素、嗜好性成分および生体調節成分が含まれることを意味しています。(中略)“母乳”は、“人乳”だけを意味するものではありません。哺乳動物の母親の分泌する乳すべてを意味しています。本書が、畜産物利用学、食品機能学、栄養学、食品タンパク質科学、食品免疫科学などに関心をお持ちの学生、教育者、技術者および研究者の皆様のお役にたてば、著者の存外の喜びです。(本書まえがきより)

内容紹介

第1章 母乳の基礎知識
母乳で学ぶ食品の機能/母乳タンパク質の一般的性質
第2章 生体防御機能の基礎知識
哺乳動物の生体防御機能としての免疫/生体防御機能の探索法
第3章 母乳タンパク質の生体防御機能
母乳タンパク質とその消化により生じるペプチドの生体防御機能/牛乳IgGの獲得液
性免疫抑制機能/パン酵母とパン酵母に特異的なヤギ乳IgGのI型アレルギー軽減作
用/ウシ後期初乳の生体防御機能
第4章 牛乳タンパク質の生体防御機能に着目した食・飼料
の開発の実際
カゼインホスホペプチドの粘膜IgA産生促進機能とそれに着目した飼料/牛乳IgGの
感染予防機能とそれに着目した食品の開発
第5章 牛乳アレルギーとその治療乳・予防乳
牛乳アレルギー/牛乳タンパク質の抗原構造/牛乳タンパク質を原料に用いた牛乳
アレルギーの治療乳・予防乳の開発の実際

大谷 元 (おおたに はじめ)
農学博士。信州大学大学院農学研究科修士課程修了後、1974年株式会社三和化学研究所入社。1976年信州大学農学部助手。
1985年同大学助教授。1991年同大学教授。2001年より同大学大学院農学研究科教授。
<受賞>
1981年 日本畜産学会研究奨励賞(牛乳β-ラクトグロブリンの抗原性に関する研究)
1987年 日本畜産学会賞(牛乳蛋白質の抗原性に関する研究)
2005年 日本酪農科学会賞(ミルクたんぱく質およびその部分ペプチドの免疫調節機能に関する研究)
2008年 日本農学賞(牛乳たんぱく質の免疫調節機能の探索と利用技術の開発)
2008年 読売農学賞
2009年 Animal Science Journal Excellent Paper Award
2010年 紫綬褒章